弊社では、大手ゼネコン各社様からのご依頼を受け、建築施工図作成を中心とした業務に携わっています。
この記事では、AutoCADにおけるバックアップデータの活用方法について
できるだけ分かりやすく説明していきます。
バックアップデータの種類
バックアップはAutoCADに元々備わっている機能で
決まったタイミングで自動的にデータを保存しておいてくれる機能です。
保存されるバックアップデータは下記の二種類あります。
保存される内容やタイミングがそれぞれ異なります。
バックアップコピー (***.bak)
→ファイル保存時に、「編集前のファイル」がバックアップコピーとして作成されます。
保存先:
元データと同じフォルダ
作成条件:
・任意のファイルを保存した時
・古いファイル形式で保存されているデータの自動保存ファイル(.sv$)が
別の自動保存で上書きされた時
自動保存ファイル (***.sv$)
→ファイル保存までに、「編集中のファイル」が一定の時間毎に自動でバックアップされます。
(オプションで自動保存機能が「オン」になっている必要があります)
保存先:
任意のフォルダ (保存時間・場所はオプションから変更可能です)
作成条件:
・図面が最後に保存された後、新たに変更された場合のみ作成
・通常の保存コマンドを実行すると現在の「.sv$」ファイルは削除され、
その後新たに図面が変更されるまで自動保存はされない
自動保存機能の設定
前述の通り、自動保存機能は保存時間や場所を変更することができます。
画面左上の「A」マーク(アプリケーションメニューといいます)から「オプション」を選択
または、コマンドラインに「OP」と入力してオプション設定画面を開きます。
「開く/保存」タブの「ファイルの安全確保」で
「自動保存」と「保存時にバックアップファイルを作成」にチェックが入っているか確認してください。
自動保存をどのくらいの間隔で行うかも設定することができます。
「ファイル」タブを開くと「自動保存ファイルの場所」から保存場所を確認することができます。
保存場所を変更したい場合は
ツリー内の保存場所を選択してから右上の「参照」ボタンで変更することができます。
デスクトップ上などわかりやすくすぐ開ける場所に変更しておくと良いでしょう。
バックアップデータの使い方
さて、実際にPCの不調やうっかりで「バックアップデータを使いたい」となった時、
このままでは使用することはできません。
以下の方法で通常のCADデータとして使えるようにします。
①保存場所から必要なバックアップコピーか自動保存ファイルを探してデスクトップ等に移動
②末尾の拡張子「.bak」または「.sv$」を「.dwg」に変更
「拡張子を変更すると、ファイルが使えなくなる可能性があります。変更しますか?」
と表示されますが、そのまま「はい」を選択してください。
この時必要であればファイル名を変更することもできます。
これで通常のCADデータとして使用することができるようになりました。
おわりに
今回はバックアップデータについて説明しました。
バックアップコピーと自動保存ファイルでは作成されるタイミングが異なるので
どちらかより復元したい状態に近い方を選んで使用すると良いでしょう。
また、とても便利な機能ですが
バックアップコピーも自動保存ファイルも意識しないうちに増えていきます。
(自動保存ファイルは保存コマンドの実行で削除される、と前述しましたが
なぜか残っている場合があります)
ハードディスクを圧迫してしまうので
不要になったものはタイミングを決めて消去しましょう。
そして、一番大事なことはやはりこまめにデータを保存することです。
データクラッシュ等、自分ではどうしようもないこともありますが
なるべく「Ctrl+S」を忘れずに作業を進めていきましょう。
今回も最後までお読みくださいましてありがとうございます。
少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
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